スピーチ原稿の作り方
一般企業では社長のスピーチ原稿を作成するのは、社内の広報担当、経営企画担当、またはプロのスピーチライターや広告代理店に依頼することも多いのではないでしょうか。原稿の内容はできても、社長の伝え方1つで魅力あるスピーチになるかどうか…
長い原稿を全て頭の中に入れておくのは至難の業です。説得力のあるスピーチをするには、アイコンタクトで話せるように原稿を覚えることは勿論、息継ぎやポーズなどの言葉のセンテンスを考え、聴衆と心が通じ合うスピーチを心がけなくてはなりません。原稿を覚える時間を"演じる"時間に充て、十分なリハーサルをしましょう。
プロンプターを使用することで、自然にアイ・コンタクトができ、下を向いて原稿をチェックしたり、確認するという作業は必要なくなります。
元アップル社長の「スティーブ・ジョブス」氏が生前2005年6月12日に行ったスタンフォード大学「卒業式祝賀スピーチ」の原稿を例に具体的な原稿編集テクニックを解説致します。 下記がジョブスのスピーチを日本語に訳した原稿になります。
まずは、ワンフレーズごと読み直し、息継ぎのタイミングを計り、ワンセンテンス単位で上手く喋れるように練習します。
文章と文章の間にポーズ(間合い)を入れる。特に「オープニング」「ボディー」「クロージング」の三つの部分の入りや締めくくりなどは、間合いを十分に取ってスピーチします。特に重要なメッセージの部分は、抑揚などを意識して原稿を作ります。
聴衆にとってスピーチは耳で聞いて理解しなければなりません。質疑応答などのないスピーチは、紙に書かれた文章以上にシンプルに分かりやすさが求められます。
ワンセンテンス単位で改行しスピーチしやすいようにセンター合わせで表示させます。
【カード単位で原稿を表示させる場合】
スピーチ原稿の内容に合わせ前後の原稿内容に適した部分で、改ページにするように調整します。
【スクロールの場合】
文字の大きさで一画面に表示できる文字数が決まりますので、あまり大きな文字で表示させると、スクロールスピードが速くなり、読みづらくなりますので注意が必要です。
実際に声を出してゆっくり読んでみて下さい。
「スティーブ・ジョブス」氏の「卒業式祝賀スピーチ」の場合で見てみましょう。
一気に読まず、改行の部分では言葉を大事にして、「卒業式に」「同席でき」「光栄に思います」という部分をしっかり伝えます。ほんの少しの「間」をとります。
「段落の間」のあるところでは意識して長めの間を取ります。
「今日は 私の人生から3つの話をします~」この部分は、少し抑揚(強調)を付けて読むと良いでしょう。(声のトーンなどを変える)
この様にプロンプターの原稿をベタ打ちではなく、センテンスを大事に改行していくことで、言葉の持つ意味がはっきり伝わり、聞く側には内容が理解しやすくなり、説得力が増します。
内容の良いスピーチ原稿を作ることは勿論ですが、プロンプターのハーフミラーに表示する原稿レイアウトの作り方次第で、スピーチの「間」の取り方、強調、話すスピードなどを自然にコントロールすることができます。読みやすい原稿レイアウトは、スピーチする人に余裕が生まれ、その結果として、姿勢や表情、ジェスチャーなどの振る舞い方にも気が配れる様になります。
スピーチ原稿に即した、良い原稿レイアウトを作ることが「プロンプターを使ってスピーチを成功させる」秘訣になります。
プロンプターを使って成功させるための基本的な部分を説明しました。素晴らしい原稿の内容を聴衆に伝えるためにはアイコンタクトも不可欠です。前を向いて話しつつも原稿が読める方法がないのか…?
そのニーズを満たすために「スピーチプロンプター」という機材が生まれました。プロンプターの機能を生かして皆さまのスピーチがより魅力的になれば幸いです。